評価面談の”密”、どうする?~人事担当者の役割~
2020年04月15日
先日、ある病院の人事部長からのご相談。
「新型コロナウィルス感染の影響で、2019年度下期の評価面談を中止している病院はありますか?」というご相談でした。私から、「どうしてですか?」と問い返したところ、評価面談(フィードバック面談)が”3密(密閉、密集、密接)”が気になるとのことでした。
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確かに、評価面談(フィードバック面談)は個人情報満載の内容ですから、密室で行われます。面談する上司も面談を受けるスタッフも双方共に話すことを他者に聞かれてくないですから、扉を開けて話すには躊躇する人が多いと思います。
また、一対一での面談ですから、そんなに広い場所ではないことから、さらに密室性が高くなること間違いなしなわけで、そこには”3密”の「密閉」と「密接」が発生するため、そういうことからのご相談でした。
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上記のことについて、こう考えます。
まず、感染の危険性があることはやらないことが第一です。これは言うまでもないことですが、優先度緊急度からするとここが一番大切なことを人事担当者としても押さえておかなければならないことです。
その上で、次に人事評価の結果を何に使っているのかです。定期昇給や賞与決定の材料に使っているのであれば、特に定期昇給は賃金規程にも明記されているはずですから、そのとおりに実施しなければなりません。つまり、人事評価を行わないと定期昇給ができないということになります。一方で、「密閉」「密接」になるので、評価面談は省略しようということでもないと思います。生活給である月例賃金ですから、正しい手続き(ちゃんとフィードバック)で行われなければなりません。
人事担当者としてすべきことは、感染防止対策を理解しつつ、評価面談を行ってもらうために、留意してほしいことを評価者やスタッフに発信することが一つの役割なのではないでしょうか。
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例えば、こんな通知とかです。
このたびの新型コロナウィルス感染防止を踏まえ、評価面談の際は、次のことに十分留意の上行ってください。
1.面談場所を「密閉」にしない。 ⇒ 定期的に換気しましょう。
☑ ドアを少し開ける。ただし、面談内容が他者に聞かれないよう配慮してください。
☑ 定期的に窓を開けて換気する。
2.面談者、被面談者同士の「密接」を避ける。 ⇒ 以下は努力をお願いします。
☑ ソーシャルディスタンスが確保できる部屋で行う。
☑ できるだけ面談時間を短縮できるよう面談内容を準備しておく。
※ 非常に厳しい状況環境下での実施となりますが、スタッフにとって大切な面談ですので、ご理解のほどお願いいたします。
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感染対策が強化されている中での面談は非常に感染の危険性が伴います。しかし、それでも一方で、人が働いている以上、人事は動いているのです。止めることはできません。だからこそ、人事担当者として、動きを止めない発信は大切な役割の一つだと思います。