自己評価が高い人の対応 (人事評価シリーズ17)
2018年09月26日
人事評価制度において、自己評価は、尊重するのが原則です。
が・・・、そうは言っても、上司評価と比較して、高いすぎるもしくは低いことは起こりえます。
そこで、自己評価が高い場合と低い場合の傾向とその対応について述べたいと思います。
シリーズ17では、高いスタッフの特徴と対応策についてです。
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【特徴①】自己の能力を認めてほしいという気持ちがある
⇒ 「これだけ頑張っているのに自分を見てくれていない!」
⇒ 「自分は他のスタッフよりも知識や技術があるし、仕事も出来るのに!」
⇒ 「ちゃんとやっているんだから、もっと認めてほしい!」
【対応例】認めてほしいことが何かを聞くこと、本人が認めてほしいこととこちらが認めることの差違を埋めることが必要です。
☆ 上司評価の高い結果のフィードバックに時間をかける。
☆ 評価期間中に出した成果など、スタッフからとことん話しをさせる。(何を認めてほしいのかがわかるかも)
☆ 全体的に優れている能力をほめる。(例:「○○さんは、わかりやすく伝える力(伝達力)がありますよね」など)
☆ 上司評価が低く、自己評価が高い点については、特に具体的な事実だけをフィードバックする。
(「○○さんは、いつも××だよね」など絶対言わないこと!)
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【特徴②】上司や周囲に威圧感を与えたいという気持ちがある
⇒ 「私は部署内で一番できるんだから評価が高いのは当たり前!」
⇒ 「上司は自分がこれだけできる人だってことを知らないんだな!」
⇒ 「自分はできるんだから、もっとやりがいのある仕事を担当させてほしいのに!」
⇒ 「私の方が上司よりも仕事ができるのを知らないんだな!」
⇒ 「どうせ上司評価が優先されるんだから、高くしておけば、下げにくいだろう!」
【対応例】上司に対して、自己評価を使って何を強調したいのかを聞き出すことが必要です。
☆ 【特徴①】の対応例
☆ スタッフの仕事上の不満を引き出し、それを訊く。
☆ やってみたい仕事を訊く。
☆ 責任のある仕事を任せてみる。
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【特徴③】そもそも、評価基準がズレている
⇒ 「ちゃんとできたんだから、A評価でいいんでしょ?」(5段階評価の場合、標準にできているとB評価が一般的)
⇒ 「目標が達成できたんだから、S評価じゃないの?」
【対応例】面接で具体的な事例を使って、評価基準のズレを埋め合わせることが必要です。
☆ 基準をどこに置いているのか、スタッフから話をさせる。
☆ どのような経緯で、自己評価の結果になったのか、話をさせる。
☆ 上記の内容に応じて、基準のずれを正す。
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【特徴④】自己評価を適当に行っている
⇒ 「どうせ上司評価が優先されるのだから、適当に記入してればいいや」
⇒ 「人事評価ってよくわからない・・・、面倒だしいいや」
【対応例】自己評価は、自分の仕事の点検であるとともに、役割を認識する機会でもあることを伝えることが必要です。
☆ 自己評価の意味を教える。(自己評価は自分の仕事の振り返る機会であること)
☆ 評価結果がどのように活用されるのか、その重要性を教える。
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自己評価が高いスタッフの心理は、様々だと思いますが、
ある程度の傾向を掴んでおくことで、何らかの是正が可能となります。
単に「自己評価が高いですよ」というのでは、納得性がありません。
「何故、この評価結果になったのか」というところから、被評価者の考えを引き出すことから
始めることが大切なのです。