組織目標と個人目標をつなげる3つのキーワード~意味のつながり~(人事評価シリーズ32)
2019年09月14日
目標管理を実践する上で最も大切な「組織目標のブレイクダウン」。言葉では簡単に言えますが、それがまた結構大変なことは現場の皆さんが一番実感していることだと思います。
組織目標を個人へブレイクダウンするとき、丁寧にブレイクダウンすることが組織目標達成のポイントになることを今一度確認してみましょう。
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ブレイクダウンとは、組織目標を達成するための具体的行動計画をスタッフそれぞれに分担し、スタッフはその役割を計画的に実践すること、その寄せ集めが最終的に組織目標達成につながるという構図です。
そうなると、組織目標と個人目標をつなげ続ける必要があるということです。そのためには3つのキーワードがあります。
それは、
☑ 意味のつながり
☑ 行動のつながり
☑ 意識のつながり
です。
今回は1つ目の「意味のつながり」についてです。
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① 意味のつながり
役割分担で割り当てられたことをしっかりとこなしてもらうためには、スタッフに対して、何故その役割をしなければならないのかという動機付けが必要となります。組織目標は、スタッフ自身が立てるのではなく、組織の側から与えられるものであり、スタッフには「是非やりたい」という動機付けが希薄になりがちです。動機付けがされないままですと、組織目標へのコミットが足りないがために組織目標の一部が欠如してしまい、結果として達成しにくい状況に陥ります。
となると、まずは組織目標が立案された意味(背景や理由)をスタッフに伝えることが第一ステップとなります。
例えば、収益改善で○○億収益確保という目標だけ掲げても、何故その金額なのか、今収益確保する理由が何なのかがわからないと、目標達成できなかったときの危機感が伝わりません。ましてや、赤字経営であれば、尚更「赤字だから収益確保をしないといけないんだ」という状況を伝えることは必須な訳です。
組織運営において、現状とその背景、見通しを考えて今必要な目標であることを伝えることが「意味のつながり」です。
さらに、言うならば、部門もしくは部署長がしっかり自分のことばで伝えてほしいものです。「病院が決めたことだから、あなたにこの役割分担ね」と言われると、スタッフの側からすれば「忙しいっていうのに・・・上司のあなたがやればいいでしょ。病院の経営は上の人の責任でしょ」という気持ちになりかねません。
また、「院長が言ってるんだから、やらざるを得ないでしょ」もタブーです。これを言ってしまったら、「上司のあなたも嫌がっていることを私たちスタッフに押し付けるっていうことですね」という気持ちになるかもしれません。
これでは、動機付けではなく、やりたくないことの共有にしかなりません。まずは、現場管理者が組織目標の意味をしっかり理解し、スタッフに説明できること、目標管理はここから始まります。
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次回は、2つ目のキーワード「行動のつながり」です。