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人事評価表の「ことば」を活用した動機付け(人事評価シリーズ27)

2019年05月08日

 人事評価表は、一般的な文言、文章で表記されています。例えば、「報告、連絡、相談はタイミングよく行われていたか」とか、「相手に対してわかりやすく説明できていたか」とか、「決められた期日までに仕事をやり終えていたか」などです。

         

 一般的な表現であるため、自己他者ともに評価するとき、なんとなく「できれるんじゃないかな」とぼんやりした感じで評価しているように思います。わかっているようで、あまり具体的に考えずに評価しているのは否めないのかと思っています(私自身もそういうことがありました)。

       

 「報告、連絡、相談のタイミングがいいってどういうとき?」

 「”わかりやすく”ってどういう言い方がわかりやすいの?」

 正直なところ、突っ込んで訊かれると応えられない評価者の方々もいるように思われます。

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 人事評価シリーズ6「評価するときに気を付けたい3つのこと」でも書きましたが、評価するときは「自己評価も他者評価も具体的な事実があって、評価できること」、「仕事に関する事実があること」が原則です。

 実はぼんやり評価している一般的な用語の評価表の文章は、動機付けに使うことができるのです。

 例えば、このような使い方です。

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 評価表に「患者・家族にわかりやすいく説明できていたか」(表現力)という項目があるとします。

 評価のフィードバック面接で、「表現力」を褒めようとしたとき、次のような具体的な事実を伝えます。

      

「患者さんや家族に入院時の説明のとき、一方的に説明するのではなく、不明なことや不安なことがないかを確認しながら説明できていたし、あなたの説明を聞いて、患者さんも家族も入院するにあたって不安がなくなったと言っていましたよ」

        

 これはこれで具体的で「あの時の説明のときだな」と褒められたスタッフはいつのことなのかを思い出すことができて、嬉しい気持ちになると思います。

 この具体的な事実にさらに、「患者・家族にわかりやすく説明できていて、表現力があるということですよ」と評価表の文言を付け加えることで、一つの事実だけではなく、「表現力」というスキルを認められることになります。

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 一般用語で書かれている評価表の文言は、そのスキルを認めているというメッセージに活用することができますし、スタッフ自身も保有スキルを自認することができるのです。

 また、具体的事実と評価表の文言を使って褒めることは、スタッフの成功体験として残り、以後、言われなくても褒められたことの繰り返し行動につながるということです。

 評価表を使っての動機付けとは、よりよいことを褒めることでの繰り返し行動を起こさせることなのです。

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