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新入職員を迎えるためにできること〜その① 新入職員と自分は何が違うのか~

2022年02月23日

 先日、栃木県看護協会宇都宮支部にて管理者向けの研修で講義をしてまいりました。

  テーマは、「新入職員を迎えるにあたり管理者がおさえておきたいこと」です。

 コロナ禍で学生のときに実習ができず、現場を見ることなく入職してきた新人さん。お昼を食べるときも「黙食」しなければならず、”おしゃべり”ができないためプライベート情報のやりとりができない、飲みに行けないなど、コミュニケーション不足だったり、新人を知ることができなかったりで、以前よりも早期離職が増えているそう。

 「最近の新人は・・・」と決めつけるのではなく、受け入れる側の心構え、心持ち、体制をどうすればよいのかを考えていただく内容で講義いたしました。

 そこで、講義の内容を全4回でお伝えしたいと思います。

      

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 第1回目は、「新入職員と自分は何が違うのか」です。


 「今の若い人はねぇ~(とマイナスなイメージで)」や「最近の若い人は何を考えているのかわからない」、「ことばが通じない」など、世代が違う人に対して、私たちはこのようなセリフを言うことが多いと思います。

 このことばは、「自分が正しい」「自分の考えが当たり前」が根底にあるように感じます。しかし、それは本当に正しい、当たり前なのでしょうか。自分の当たり前という考えは、他者にとって当たり前といえるのでしょうか。

 自分が正しいとか、当たり前と思っていることは、これまで置かれてきた環境、経験等の積み重ねから形成されます。人それぞれ、それは違うわけですから、「正しい、当たり前」は当然、人それぞれ違うわけです。

 新人さんと私たちは、置かれてきた環境では、次のことが違うのです。

 ◇育った家庭環境の違い
  ✅ どのようなしつけをされてきたのか
  ✅ どのように常識を教えられてきたのか
 ◇年代の違いによる教育環境の違い
  ✅ ゆとり教育
  ✅ 思考力を高める教育
 ◇置かれた社会環境の違い
  ✅ 日本経済状況と発信された情報
  ✅ 情報を得るツールの発達
 ◇これまで経験違い
  ✅ 見てきたこと、きいてきたことの量の違い
  ✅ 経験から感じた気持ちの種類と量の違い
    (楽しい、嬉しい、きつい、辛い、悲しい等)

 4月から新人さんを受け入れるにあたり、私たちと新人さんとではこれだけの違いがあることをまずは認識することが重要かと思われます。
 違う環境で育ってきたから、もちろん共通言語も異なります。同じ日本語ではありますが、言葉の捉え方は置かれてきた環境から理解しています。「ことばが通じない」ではなく、どうしたら伝わるのかの努力は受け入れる側には必要なのではないでしょうか。

 そのためにも、これだけの環境と経験の違いがあること、新人さんのこれまでの環境を理解しようとする姿勢が、新人さんとのコミュニケーションをとる第1歩なのではないでしょうか。

      

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 また、私たちは新人さんに対して、「自分の方が経験があるから新人さんよりも当然、仕事ができる」と思っていませんか。

 確かに、これまで経験してきたことについては、新人さんはやったことがありませんので、できるはずがありません。その点でいうと、私たちの方ができます。しかし、その仕事のやり方は本当に最適なやり方なのでしょうか。

 もしかしたら、新人さんにやらせてみたら、もっといい方法や手段を持っているかもしれません。例えば、未だに手書きの書類は、「タブレットを使って手書きの書類を取り込んで、タブレットで書き込んだ方が早いですよ…」とサラッと言うかもしれません。

 そう考えると、新入職員を迎え入れる姿勢として、次のことを考えてみてはいかがでしょうか。

  ✅ 職員の育った社会環境、教育環境を知る

  ✅「そんなことも知らない」は、そもそも教えられていない
    教えれば、それで済むこと
     ⇒ 家庭環境の違いで教えられていること、そうでないことがありますね。

  ✅ 自分よりも優れたスキルを持っていることもある

  ✅ これまでのやり方は、必ずしも最適とは限らない

  ✅ 新入職員から学ぶ、新入職員のスキルを取り入れる

        

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 いかがでしたでしょうか。
 新人さんと私たちはどちらが上の立場、下の立場ということではなく、お互いがわかりあう努力をすること。しかし、新人さんは、経験が少ないですから、経験のある私たちが分かり合えるアプローチを先手を打ってしかけていくことが大切なのではないでしょうか。

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