絶対評価と相対評価、それぞれの特徴(人事評価シリーズ9)
2018年08月25日
人事評価の方法に、「絶対評価」と「相対評価」があります。
簡単に言うと、「絶対評価」は、スタッフ一人ひとりを統一基準に照らし合わせる評価方法です。
例えば、点であれ70~80点であればB評価、81~90点であればA評価というように、獲得した点数によって
評価を決める方法です。
「相対評価」は、評価対象のスタッフ全員を比較し、序列をつける評価方法です。
高い点数を獲得したスタッフから低い点数のスタッフを順番に並べて、上位5名までがA評価、上位6~10名までがB評価というように
評価を決める方法です。
*~*~*~*~*
よく「相対評価」より「絶対評価」がよい!のように言われることがありますが、
決してそういうことではありません。
どちらがよいということではなく、2つの評価方法には向き不向きがあるのです。
「絶対評価」は、スタッフを期待値などの基準に照らし合わせて、
○期待値に達成していることは更にブラッシュアップする
○期待値に達成していないことは、到達できるよう指導、サポートする
ことができますので、スタッフの個別育成に向いています。
「相対評価」は、順番付けの評価になりますので、「1番」になりたいという意欲があるスタッフの
競争力を高めることに向いています。
*~*~*~*~*
よって、人材育成を目的とした人事評価制度であれば、絶対評価で評価すべきです。
一方で、1番頑張った人に賞与をたくさん加算したい!というのであれば、相対評価で順番付けして、
賞与の支給配分を決めるということになるでしょう。
*~*~*~*~*
因みに、私が小学生だった頃の通信簿は「相対評価」でした。
各科目で、A評価、B評価、C評価の人数が決められていたそうです。
しかし、現在の小学校の通信簿は、「絶対評価」で評価されています。
そのため、毎年学校では、「○○ができればA評価」というように保護者に対して説明会があります。
これが照らし合わせる基準ということですね。
よく、「今の子どもたちは競争心がない」と言われている所以は、
絶対評価での個別育成であるため、競争する機会が少なくなっているということなのでしょうね。