神奈川県平塚市主催 介護職員交流&研修会「わかてカイ」で講演~活動報告59
2024年11月28日
去る10月18日(金)、神奈川県平塚市福祉部主催で、平塚市内の介護施設職員の皆様向けに講演の機会をいただきました。
「わかてカイ」という名称で、昨年から?若手人材の離職防止の一環として、平塚市福祉部が企画して開催しています。昨年は、「OJTの進め方」等のテーマにした動画を弊社より提供し、ご受講いただきました。
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今年度のテーマは、「セルフマネジメント」。
仕事を続けていくうえで、若手であろうと経験が豊富であろうと、必要と思うセルフマネジメント。
5つのことをお伝えしました。
① 健康管理(フィジカルもメンタルも)
~ストレスマネジメントの重要性~
② 感情コントロール(喜怒哀楽の上手な表現方法)
~一次感情(疲れた、眠い、お腹すいた、つらいなど)を軽減させる~
③ モチベーションマネジメント
~自分で自分を元気にさせる方法~
④ キャリアマネジメント
~ちょっと先の自分を考えるための準備を進めよう~
⑤ タイムマネジメント
~時間の余裕が、①~④を作り上げる~
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3時間の講義時間でしたので、途中、コミュニケーションゲームを取り入れ、受講者同士の交流も図っていただきました。
ご参加された皆様からのアンケートや当日の講義の様子が、平塚市のホームページにアップされています。
【平塚市ホームページ】https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/nenkin/page22_00043.html
昨年度に引き続き、ご依頼いただきました平塚市、そしてご受講くださった皆様、ありがとうございました!
新人さんの五月病対策~態度や意欲をほめる~
2024年04月29日
GWが始まりました!
新型コロナが5類になり、初めてのGW。ターミナル駅や空港は多くの人でごった返していますね。
一方で、今年の新人さんたちが入職して1ヶ月が経とうとしています。
皆さんの職場の新人さんたちは順調に成長されていらっしゃいますか?
また、元気に毎日出勤されていますか?
GWまでは、社会人と学生の違いなど、職場ってどんなところ?ということを知る期間でした。
入職間もない時期は、職場はきっと「アウェー」のようの感じる方も多かったともいますが、先輩たちが話しかけてくれたり、それに対して会話ができるようになったりと、少しずつ「ホーム」に感じる新人さんも増えてきているのではないでしょうか。
GW明けからは、多くの病院・施設では、正式な配属先で具体的な仕事を教えることが多くなることでしょう。
そこで気を付けたいのが、いわゆる「五月病」。
「五月病」は、次のようなことが原因と言われていますね。
・ 職場の人間関係がうまく作れない
(先輩はまわりに話しかけられない、相談できないなどのコミュニケーションがとれない)
・ 思った職業と違うと感じるギャップ
(こんなに難しい仕事だったとは・・・思っていたよりつまらない職業・仕事だったなど)
・ 教えてもらったことができないことでの自信喪失
(勉強は結構できたほうなのに、仕事でミスをしてしまうことで自分への自信をなくす)
上記のことによって、「職場に行きたくない」「辞めたい」という気持ちになりつつも、「入職したばかりだから、行かなくちゃいけない、辞めちゃいけない・・・」という自分に無理をする気持ちが結果として、メンタル不全につながってしまいかねません。
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そこで、今の時期の新人さんのとらえ方をこう考えてみたらいかがでしょうか。
・新人さんは、しばらくは仕事を教えられても、できないことが多い。
・できないのは当たり前であり、自分たちもそうだった。
・できないことをできるように努力している姿を見せることが大事。
・できないことは、どうしてできないのかを観察する。
・逆にできているところは何かを見つけて、それを伝える。
・サポートすることは先輩の役目だから、遠慮しなくていいことを伝える。
・ただ、今すぐにできることもあるので、それをほめる。
✅ 元気にあいさつ
✅ 呼ばれたら元気に返事
✅ 途中経過と終わったことを報告
✅ 手が空いた時は、周りに「何かやることはありませんか」の声かけ
✅ ミスをしたら、すぐに報告(事実を報告)して、謝る
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新人さんは、仕事こそまだできませんが、上記のことがちゃんとできているのであれば、
ほめるところをたくさん見つけられるのではないかと思います。
例えば、教えた仕事をミスしてしまった新人さんがいたとしても、次のようにほめることもできるのではないでしょうか。
「ミスは新人なんだから、ミスがあっても当然ですよ。
でも、○○さんは、教えたときは『承知いたしました』と
元気にやる気いっぱいの返事をしているでしょう?
それは前向きな気持ちが伝わってくるんですよ。
その気持ちがあることで、次はミスしないようにしようという意欲にも
つながってくるんですよ。
次は同じミスをしないように、まずは一緒にもう一度やってみましょうか。」
新人さんは、仕事の成果はまだ出すことはできませんが、態度や意欲でほめる点がたくさんあるはずです。
「態度や意欲」でほめる実践をすることで、「自分でも頑張っていれば、ちゃんとほめてもらえるんだ」というモチベーションアップにつなげたいものです。
モチベーションアップまでいかなくとも、「仕事に行きたくないな・・・」と思っていた時、先輩からほめられたことで、「もうちょっと頑張ってみようかな」という前向きな気持ちにさせること、それが五月病防止対策につながるように思います。
GW明け、「態度や意欲」をほめる!で新人さんを迎えませんか?
新人研修から思うこと~今の時代の新たなビジネスマナー~
2024年04月02日
新年度がスタートしました。
今年の桜は、卒業の桜ではなく、入学・入社の桜の開花となり、それはそれで時期ぴったり!と感じました🌸
弊社は4月1日から1週間ぐらいは、”新人研修WEEK”です。
新人研修では、
・学生と社会人との違い~自立・自律すること~
・いい仕事をするためのポイント(7つのことを伝えています)
・ビジネスマナー(接遇・マナー)
・職場コミュニケーション~報告・連絡・相談の徹底~
・仕事を楽しむためのセルフマネジメント
をお伝えしています。
上記のプログラムで、時間を使って伝えてほしいとのご要望をいただくのが、ビジネスマナーです。
社会人経験のある皆様もビジネスマナーに自信はありますか?
私は、自信がないことも未だにあります。
毎年、新人研修の講義を通じて、学びなおしや振り返りをしているところです。
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先日、ある医療機関で新人さんではない職員研修での講義の機会をいただきました。
その研修でのご要望の1つに、「電話の切り方」がありました。
次のような現状があったそうです。
・電話を受けるときもかけるときも、とにかく受話器を「ガッチャン」と音を立てて、電話を切る
・電話を切る前に大きな声で職員同士が話し始める
皆様の職場でこのような行動は見受けられますでしょうか。
私は、電話を切るときは、受話器を置いて切るのではなく、フックボタンを押して切るように新人のときに教えられましたので、そういうこともお伝えする必要がある現状を知りました。
(最近のヒットドラマ「不適切にはほどがある」みたいですね)
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「電話の切り方」の講義をしていて、ずっと気になっていることがありました。
オンラインでの打合せや会議で、終わったときの切り方です。
コロナ禍で急速に普及したオンライン。コロナ後も私自身も重宝していますし、皆様の組織でも同様かと思います。そうしますと、オンラインでのマナーもあるのではないかと思ったところです。
「オンラインの切り方」もこれからはマナーの1つなのではないかと思います。
「それでは、これで終了しますね。お疲れ様でした」とお互いに言った後、いきなり画面からいなくなることに、多少の違和感を感じたことがありました。そんなとき、「これって、スマートな切り方だなぁ」と思った方がいました。
○「お疲れ様でした、それでは失礼いたします」と言って、回線を切るのではなく、ビデオカメラをオフにする
○そのあと、回線を切る
いきなり、電話の受話器をガッチャン!と音を立てて切られる・・・ということがなような・・・
この”切り方”をすると、お互いに回線を切りやすいと思いました。
「今どき、そういう小うるさいことをいうわけ?」と思われることかもしれませんが、これも時代のツールの変化からの「電話の切り方」と同じなのではないかと思ったところです。
ビジネスマナーの根底は、「相手を不快な気持ちにさせないこと」だと思います。時代が違うにせよ、これが基本的な考え方なのかと思います。
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新人さんが入職された今が、自分自身のビジネスマナーを振り返る時期。
時代の変化によるツールの変化から、相手を不快な気持ちにさせない対応の1つにオンラインでのビジネスマナーも加えてみるとよいかもしれませんね。
聖隷福祉事業団 聖隷リハビリテーション学会で基調講演‐活動報告55
2023年10月01日
浜松市のアクトシティ浜松にて、聖隷リハビリテーション学会で講演してまいりました。
リアル開催はコロナ禍以来とのことで、全国の聖隷福祉事業団のセラピストの皆様が参加されていました。
今回の学会のテーマは、「障子をあけてみよ、外は広いぞ」。
今よりも、もっと、外を見ることで視野を広げよう、キャリアの幅を広げることで、成長!ですね🎵
私の講演のテーマは、「管理職とスタッフ双方の立場から考える働き方支援」。
まあまあ、難しいテーマで、当日の講演資料も直前まで追加修正しながら💦
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今回のテーマで、お伝えしたのは、次のこと。
✅ 働き方の選択は自己責任であること
✅ だからこそ、選択できるだけの選択肢をできるときに、
自分の旬なときに増やしておく大切さ
✅ 専門職として、自己啓発だけではなく、チームから学ぶこともある
✅ 先輩が後輩に教える成長だけではなく、先輩も後輩から学ぶことも
そして、「いつか来た道、いずれ行く道」ということばで締めました。
このことばは、以前尊敬する先生から教えてもらったことばでした。
ネットで調べると、誰が言ったのかはわからないようですが、まあまあ有名なことばのようです。
先輩たちへ、「今の若い人たちって・・・」というよく聞くフレーズがありますが、自分たちもそういう時代がありましたよね・・・
若い方たちへ、「とろいな~、早くやってほしいんだけど・・・」のように年を重ねると動作や処理が遅くなったり、忘れることもあったりしますが、自分もいずれそうなることがある・・・
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管理職もスタッフもお互いに高めあう、学びあうことが伝わればいいなぁ~と思いながら、講演を終えることができました。
この度の基調講演のご依頼をいただきました聖隷福祉事業団のリハビリテーション部門の皆様には、心より感謝とお礼を申し上げます。
上尾医科中央グループでの研修の様子-活動報告52
2023年05月14日
昨年度、埼玉県上尾市に本部を置く上尾医科中央グループ(以下、AMGグループ)での係長以上研修の様子を、グループ職員向け広報しに掲載していただきました。
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昨年度は、6月に「人事評価の基礎」、11月に「評価結果のフィードバック」についてお伝えいたしました。
人事評価制度は、どの組織でも必ず課題があります。また、課題はなくなることがなく、常に評価者(管理職)はその課題を解決し続ける必要があります。なぜならば、人事評価は、人材の育成やチーム運営の定期点検の役割があるからです。
6月は、評価者としての役割や人事評価の基礎知識、評価が高い人や低い人への対応についてお伝えしました。
11月は、評価結果を効果的にフィードバックするため、面談のすすめ方やモチベーション管理をお伝えしました。
今回の広報誌では、11月の様子とご受講された皆様からのご感想、ご意見をいただきました。
肯定のご回答を多数いただき、講義した側の立場として大変嬉しく思うとともに、私自身も皆様のお役に立てるようさらにブラッシュアップしてまいりたいと思います。
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今年度も引き続き、『管理職の仕事のやりがいについて考える』をテーマにご依頼いただきました。
管理職をやりたくないという考えが増えつつある中、管理職になったからこそ経験できる醍醐味をお伝えできるよう準備を進めております。
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昨年度の研修実施にあたり、人材開発室の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました!
「普通」って何だろう…~自分基準と相手基準~
2023年02月04日
今回のブログもテレビネタからです📺
元々、テレビドラマが大好きなのですが、今クールのテレビドラマに結構、はまっています。
その1つが、『リエゾン』(テレビ朝日系列)です。
子どもの発達障害専門クリニックを舞台に、さまざまな発達障害の子どもたちへの関わりだったり、子どもの気持ち、その親の気持ちなどを通じて、発達障害を上手にそれぞれが受け入れていく様子を描いているドラマです。
クリニックでは、発達障害のことを「凸凹(でこぼこ)」という表現をしています。
発達障害をもつ人たちの「生きづらさ」を「凸凹らしい生きやすさ」に考え方を変えていくことが描かれています。
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昨日の『リエゾン』では、小学校入学を控えた子どもの発達障害を親が受け入れられず、親がその状況に苦悩するというテーマでした。
どうしても普通学級に入れたい母親と、現実からすると支援学級のほうが子どもにとってよいという葛藤です。
ドラマ終盤で、母親が「普通って何だろう」とつぶやきました。
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「普通」って何だろう・・・🤔
私たちがよく使ってしまうことばである「普通」。
✅ 普通、知ってるよね
✅ 普通、できるでしょ、それぐらい・・・
結構、ことばにしていたり、そう思うことはないですか。
勝手に自分が「普通」という基準を決めていて、その基準を相手に押し付けてしまっているのではないかと思いました。
そう考えると、似たような意味合いでは、「当たり前」、「常識的に」もそうかもしれません。
ドラマに重ねてみると、職場での後輩指導でも同じようなことが考えられるのかもしれないと思いました。
ドラマでは、「生きづらさ」ですが、職場では「居ずらさ」になります。いずれ、離職につながりかねません。
例えば、後輩に指導するとき、「普通は・・・」ということばを使ったり、「〇〇年も経験しているんだから、それぐらい当たり前にできることでしょ」というスタンスで後輩に接していると、後輩に自分の基準を押し付けてしまっていることになり、後輩は、できない自分を責めたり、どう対処してよいかわからなくなる・・・。そして、この職場にはいたくなくなる・・・、つまり「居ずらさ」=離職につながりかねないのかなと思いました。
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昨日の『リエゾン』を観て感じたこと。
個人の成長を促すならば、「普通は・・・」という自分の勝手な基準ではなく、「後輩にどうなってほしいのか基準」で接するスタンスのほうが、成長につながるよなぁ・・・と思った次第です。
「普通」って何だろう・・・。
自分の「普通」と相手の「普通」は違う。その認識を改めて考える機会になりました。
次回も楽しみなドラマです。
長野県看護協会 認定管理者(セカンドレベル)にて人材管理Ⅱを講義‐活動報告48
2022年06月04日
先日、長野県看護協会にて、認定管理者セカンドレベルの人材管理の講義を担当いたしました。
1日半の9時間の講義。受講者全員が対面で講義を受けてくださいました。
「人材管理Ⅱ」の講義は複数の講師が担当しています。それぞれの得意分野の知識、経験値から講義しているようです。また、看護師ではない講師が講義をすることも少ないようですので、次のことをお伝えいたしました。
✅ 自分が人事課長になったら・・・というつもりで講義をご受講いただきたい
✅ 人事の知識を学んで、人事担当者に”モノが言える”看護管理者になってほしい
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そして、具体的な講義内容は、次のとおりでした。
✅ 人材管理(人的資源管理)とは何か・・・を掘り下げる
✅ 人材管理と組織運営(両輪で動かす)
✅ 人事管理と労務管理
✅ 募集・採用
✅ 配置・異動
✅ 格付け制度(等級制度)とラダー
✅ 人事評価とフィードバック
✅ 目標管理と個人目標設定アドバイス
✅ 報酬管理(給与制度)
✅ 労働時間管理とタイムマネジメント
✅ 能力開発(教育体系と研修効果)
✅ 多様な働き方(ヘルシーワークプレイス)
と、盛りだくさん💦
それにも関わらず、44名の受講者の皆さんは、積極的に講義に参加してくださいました。
長野県看護協会の皆さま、ご受講者の皆さま、お世話になりました。
ありがとうございました❣
新入職員を迎えるためにできること【最終回】~親しまれるための信頼関係を築くために~
2022年04月29日
ゴールデンウィーク突入ですね。
今朝から報道番組を観ていると、3年ぶりの空港混雑、高速渋滞…の映像。ようやくwithコロナで以前の日常になってきたのかと少し嬉しく思いました。
一方で、医療現場の方々はまだまだ食事や旅行などが制限されていることも事実。その点をしっかりと私たちは認識して行動したいと思います。
さて、「新入職員を迎えるためにできること」をテーマに
第1回:新入職員と自分は何が違うのか
第2回:無意識な苦手意識が新人を遠ざける
第3回:新入職員の気持ちを知る
を伝えてきました。
最終回は、世代の違う新人さんとどのように信頼関係を築き、お互いに話しやすい、相談しやすい関係になれるかをお伝えいたします。
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先日、「ERG理論」というのを学びました。
1972年に、クレイトン・アルダファー(Clayton Alderfer)が提唱したモチベーション理論です。
アルダファーは、働く上で何が満たされるとモチベーションがあがるのか、約60項目の質問をした結果、3つの欲求をカテゴリー化しました。
✅「存在欲求」(Existence)
物質的・生理的な欲求をすべて含み、賃金や労働条件、働きやすさなどすべてに対する欲求。
✅「関係性欲求」(Relatedness)
自分に重要な人たち(家族・友人・上司・部下など)との関係を良好に保ちたいという欲求。
✅「成長欲求」(Growth)
自分の成長、成長につながる環境への欲求で、これが充足されれば、人としての充実感が得られるとされる。
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新人さんの場合、自分が考える働きたい職場と入職した職場とで、労働条件等が一致していたから、その職場を選択し、入職したと考えると、「存在欲求」は現時点では満たされていることになると考えられます。
そうなると、親しみやすい信頼関係を築く第1歩として、新人さんへの「関係性欲求」と「成長欲求」を満たすことなのではないでしょうか。
「関係性欲求」を満たすために、具体的にできることとして、
✅ 新人さんが相談したいとき、相談しやすい環境にしているか
⇒「いつでも相談してね」というものの、声をかけにくい態度、表情をしていたら、相談したくてもできないですよね。
✅ 話しやすい環境にしているか
⇒ 仕事を教えたとき、「質問ありますか?」と問いかけることが多いと思いますが、そもそも質問すら思い浮かばないのが新人さん。
「気が付いたこと、気を付けたいこととかありますか」だと話しやすいかも。
「成長欲求」を満たすために、具体的にできることとして、
✅ 仕事をちゃんと教えてくれる教育担当者がいるか
⇒ 更に、教育担当者もちゃんと育てているか(教えることを丸投げしていないか)
✅ 段階的に成長できるような教育プランがあるか
⇒ 付け焼刃的な育成ではなく、3年後、5年後にどのようなことができるようになれるのかを可視化して、伝えられるか
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新人さんとの信頼関係は、ただ仲良く話ができるではありません。
新人さんが、「この職場で成長したい」、「この職場でいい関係性を作って、働きやすい環境がほしい」という欲求に対して、「仕事がちゃんとできる職場」を作り、「ここで働き続けたい」というモチベーションを上げられる職場を作りたいものです。
そのためにも、「関係性欲求」「成長欲求」の具体的な行動をとって、新人さんの反応をみてみませんか?
4月も明日で終わり。
新人さんも、GW明けから、本格的に仕事も教えられるようになると思います。
頑張れ新人さん!
新入職員を迎えるためにできること③~新入職員の気持ちを知る~
2022年04月10日
新年度が始まりました。日本どの組織も新人さんをいよいよ迎え入れましたね。
毎日元気に出勤してきていますか。
「新入職員を迎えるためにできること」をテーマに、
第1回 「新入職員と自分は何が違うのか」
第2回 「無意識な苦手意識が新人を遠ざける」を書いてきました。
第3回は、「新入職員の気持ちを知る」です。
昨年度、ある病院で新人さんの定期的に面談をする機会がありました。
そこで思ったことが、世代の違いがどうこうではなく、こういうことを気にしていたんだ…ということを知りました。
私たちは、経験があって、それがベースで職場を捉えがちですが、新人さんは配属先はこれまでの環境からすると「アウェー」。
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面談から、改めて知ったことは、私たちは「そんなことで傷ついちゃうの?」の感覚の違いです。
その違いを、私たちの感覚に引き寄せるのではなく、私たちがその気持ちを知ろうとする歩み寄りです。
こんな事例がありました。 こういうことがあると、辞めたい気持ちになった…そうです。
✅ 「声が小さいよ」と注意されたとき
✅ インシデントが続き、自分は「選択した職種」(看護師他の国家資格の職種です)に向いていないと考え続けたとき
✅ 同期は夜勤に入っているのに、私はまだ入れていない(看護師事例)
✅ ある仕事ができなくて、何度も教えてもらったとき
このような新人さんの気持ちを聞くと、「え~~、そんなことでぇ~」と思う方が大半かと思います。
しかし、それが現実であることも然り。
そして、このような新人さんの声を聴いたときにやってはいけないこと。
「私が新人の時はそんなことまでやってくれていなかった」・・・ですよね。
そもそそも、自分たちが育成してもらった環境は日々変化しています。そのことは、本ブログの第1回のとおりです。
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では、新人さんがどんな気持ちでいるのか・・・。
実は、とても先輩や周りの方たちに気を遣っています。
こんなことを話してくれました。
✅ 自分がいることで迷惑をかけている
✅ 手間がかかって申し訳ない
✅ 少しでもできないことがあると自信がなくなる、職に向いていないと思い込む
✅ 不安や心配なことを職場で相談できない
✅ 仕事のことで質問したいが、声をかけられない
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こういう気持ちがあるから、周りや教育担当者に話しかけにくくなっている事実を知っていただきたいと思います。
次回「新入職員を迎え入れるために」最終回は、上記のことをどうすればいいか…です!
新入職員を迎えるためにできること〜その② 無意識な苦手意識が新人を遠ざける~
2022年03月16日
あと2週間もすると、新入職員さんたちの入職日ですね。
第1回の「新入職員と自分は何が違うのか」に続き、今回のテーマは、「無意識な苦手意識が新人を遠ざける」です。
私たちは無意識のうちに、「自分と合わなそう…」と思う人に対して、「苦手だなぁ」、「話しかけにくいなぁ」などのような気持ちが働き、その意識は、相手に対して、言動となって表れていないでしょうか。
最近のご相談で多いのが、世代間ギャップコミュニケーション。
✅年の離れたスタッフに対して、どのように接すればよいのか悩んでいる。
✅最近は、コロナで飲み会もなくなり、ますますコミュニケーションが取りづらくなっている。
✅そもそも飲み会があったとして、最近の若い人たちは付き合いが悪く、誘っても参加してくれない。
しまいには、「最近の若い人は何を考えているのか、わからない」で結論付けてしまっています。
こういうことを言葉に出している時の表情を思い浮かべてみてください。明らかに「笑顔」ではないはずです。
そう考えると、実は私たちは、「世代が違うと合わない」という先入観で、新人さんたちに苦手意識を持ってしまっているのではないかと思うのです。
その苦手意識が、新人さんに対して、表情や話し方に表れてしまい、その様子から新人さんはなんとなく察して、先輩は上司とのコミュニケーションを取りにくくなってしまっているのではないでしょうか。
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次の図を見てください。
苦手意識から、相手に対してよくない話し方や表情だったりすると、それを受け取った新人さんも徐々に不安になり、その不安な表情を見たら余計に話しかけにくくなった…という「コミュニケーションの負のスパイラル」に陥ってしまう可能性があります。
では、次の図を見てください。
反対に、苦手意識はあるものの、表情や話し方を変えるだけで、それを受け取った新人さんも明るい表情で返事が返ってきて、「若い人は苦手」という苦手意識が少しずつ薄らいでいく可能性があります。
これは、行動分析学で有名な杉山尚子氏(星槎大学大学院教授)の「好子(こうし)出現による強化」(※)と言えるでしょう。
※ ご興味がある方は、「行動分析学入門」(集英社新書)をお読みになるとよいかもです。
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当たり前のことなのかもしれませんが、私たちは、自分のことを認めてくれたり、ほめてくれたり、要は「自分を受け入れてくれている」と感じると、その相手に対して好意的な気持ちになります。
その結果、話しかけやすくなったり、近づきたくなったりします。
反対に、自分のことを否定したり、批判したり、無視したり、他のメンバーに比べると自分への対応がよくないなどを感じると、その人から遠ざかりたいという気持ちになります。
だからこそ、「今の若い人は…」の先入観からくる苦手意識を少しでもなくすためには、行動を変えること(笑顔、明るい話し方、ほめる、認める、共感するなど相手に寄り添う行動)をしてみてください。
また、あきらめずに新人さんの表情、態度の変化を観察してみてください。
きっと、やり続けていると少しでも新人さんの変化が見えてくると思います!
その変化を見ると、ますます話しかけやすくなり、コミュニケーションの好循環が生まれてくると思います。